アルカリ性食品では口の中は酸性にならない?

      2019/11/18

 大阪市西区の新町プラザ歯科の歯科医師、山本です。
 食品自体の酸性度とアルカリ性食品・酸性食品の分類は異なります。酸性食品・アルカリ性食品というのは、19世紀末に提唱された概念で、体内での栄養素の燃焼を想定し、食品を高温で燃やして生じた灰を溶かした水溶液が酸性であれば酸性食品、アルカリ性であればアルカリ性食品としています。つまり、食品に含まれる無機陽イオンと無機陰イオンのバランスで判断され、例えば無機陽イオンををより多く含む海藻やお酢はアルカリ性食品に、無機陰イオンをより多く含む肉類や卵は酸性食品に分類されます。
 口腔内の環境は唾液の影響を強く受け、PHは6.8~7.2の中性領域に保たれています。食品中の無機イオンが口腔内で完全に溶出することはなく、その量は微量であることから、食品中の無機イオンによって、口腔内のPHが大きく変化する可能性は低いです。一方、食品自体のPHは口腔内に影響を及ぼします。炭酸水や果汁ジュースなど、エナメル質の臨界PHを下回る食品を頻回に摂取すると、細菌由来の酸によらないエナメル質の脱灰を引き起こし、歯の酸蝕症の原因となります。
 以上のことから、口腔内の健康には、酸性食品・アルカリ性食品ということより、食品自体のPHの影響が大きいと言えます。



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