歯周病治療

  • 歯周病につながる歯肉炎は早めに治療を

    歯周病治療

    歯磨きをしていると血が出たり、鏡でよく見ると歯ぐきが赤くなっていたり腫れてぷくっと丸くなっていたりすることがあります。これが、歯ぐきの病気、歯肉炎です。歯磨きで汚れがきちんと取れていないと、お口の中ではプラークという細菌の仲間が食べ物のカスや甘い飲み物をえさにどんどん増えていきます。そしてその細菌により歯ぐきは歯肉炎となり、出血したり赤くなったりしてしまうのです。

    最近は若い世代にも多く見られ、また進行すると歯周病につながることもありますから注意が必要です。歯肉炎は、歯磨きと食生活を見直し、早く治療を始めれば治すことができます。当院では治療と共に、歯肉炎を予防する正しい歯磨きやケアの方法、生活習慣のアドバイスを行っています。

    ●こんな症状があったら歯肉炎かもしれません
    ・歯ぐきが腫れて丸く見える
    ・歯磨きのときに出血する
    ・歯ぐきが赤い
    ・白いネバネバしたものがついている

    ●歯肉炎になりやすい生活習慣に心当たりはありませんか
    ・歯磨きの時間が短い
    ・甘い物が大好きで、おやつの時間が決まっていない
    ・ジュースや炭酸飲料、スポーツドリンクを毎日飲んでいる
    ・気づくと口で息をしている(鼻で息ができていない)

  • 歯をなくす原因の第1位は歯周病

    歯周病は、歯の表面にプラーク(歯垢)が付着し、その中の歯周病菌が増殖することによって歯を支える土台である歯周組織や骨を破壊する病気で、重症になると歯を失ってしまうこともあります。タバコなどの生活習慣が歯周病を悪化させる原因となることもあり、糖尿病など全身の病気とも関わりが深いことがわかっています。

    歯周病の進行度
    ●健康な状態歯周病の進行度
    歯肉は引き締まっていて、淡いピンク色をしています。歯槽骨の吸収もなく、歯根膜の破壊もない状態です。歯周ポケットも認められません。

    ●歯肉炎歯周病の進行度
    歯肉溝にプラークがたまり、歯肉に炎症が起こり、歯周ポケットが形成されます。まだ、歯槽骨の吸収は認められません。

    ●軽度歯周病歯周病の進行度
    歯肉は炎症を起こし、少し赤みを帯びてきます。ブラッシングすると出血を伴います。この頃から歯槽骨の吸収が始まり、歯周ポケットは4mmほどになります。

    ●中度歯周病歯周病の進行度
    歯肉の炎症は進み、出血や排膿を伴います。歯槽骨の吸収も進行し、歯根膜も破壊されてきます。歯周ポケットは5~7mmくらいになります。

    ●重度歯周病歯周病の進行度
    出血や排膿を伴います。歯の動揺も著しくなります。歯槽骨は吸収され、歯牙を支える部分はほとんどなくなります。

  • 進行度に合わせた効果的な治療と予防

    当院では、まずていねいに歯石除去を行い、歯ぐきの状態を改善していきます。スケーリングなどで歯石が取り切れない場合、外科的治療やメンテナンスもご用意しています。

    STEP1 歯ぐきの検査歯周病治療
    まずはレントゲン撮影で、歯を支える骨の状態や歯ぐきの奥の歯石をチェックします。次に、歯の表面についているプラーク(細菌)をチェックします。専用の器具を使って歯ぐきの溝(ポケット)の深さを測ります。

    STEP2 歯にこびりついた歯石を取り除く歯周病治療
    歯と歯ぐきの境目にこびりついた歯石は、ブラッシングでは取り除くことができません。専用の器具を使って、歯の表面を傷つけないようていねいに取り除きます。歯ぐきの状態を確認しながら基本的に2回行います(症状によって回数が増える場合があります)。その間、正しいブラッシングをしていただけるように指導します。

    STEP3 再検査歯周病治療
    専用の器具を使って歯ぐきの溝(ポケット)の深さを測り、歯ぐきの奥にある、目に見えない部分の歯石やプラーク(細菌)を取り除きます。深い部分に歯石がある場合には、麻酔を使用することもあります。歯石除去の際に出血することがありますが、歯ぐきの腫れによるものですので心配はありません。

    STEP4 治療終了歯周病治療
    歯周病の細菌は完全に消えることはありません。そのため完治することは難しいですが、定期的に歯石を取り、毎日のホームケアをていねいに行うことによってコントロールすることはできます。また、歯周病は自覚がないまま進行するのが特徴です。油断するとすぐに炎症が起きやすく、疲れたときなどに再発することもありますので、体調管理にも充分注意しましょう。

    メンテナンス歯周病治療
    歯周病治療後は、歯周病細菌が減少して良好な歯ぐきの状態になります。良好な状態を維持するためには、日々のブラッシングは欠かせません。また、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けてお口の中の細菌のコントロールをすることが大切です。メンテナンスの際に必要であれば再度ブラッシング指導も行います。
    メンテナンスを定期的に受けることで、歯肉の腫れを抑え、引き締まった健康な歯肉を取り戻すことができます。

  • 歯周病と全身疾患との関係

    歯周病と全身疾患歯周病を放置すると、心臓病や脳の血管障害、糖尿病にもなりやすくなると言われています。全身の健康のためにも、早めに歯周病治療を行いましょう。

    ●糖尿病
    歯周病菌が糖尿病の発症に関わっているとされ、糖尿病患者さまの多くが歯周病にかかっています。重症の歯周病の場合、軽症の人に比べて2年後に糖尿病が悪化している率が5倍高くなるとされています。

    ●肺炎
    ご高齢の方は物がうまく飲み込めなくなり、歯周病菌が肺に入ってしまい、増殖して肺炎を起こすことがあります。

    ●心臓病
    歯周病菌の作り出す物質が血液中に流れ、動脈の壁を肥厚させることがあります。これにより血管が詰まって動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や狭心症を引き起こす原因となると考えられています。

    ●脳卒中
    動脈硬化を引き起こすため、脳卒中を起こす可能性も高まります。

  • 歯周病はタバコで悪化します

    歯周病はタバコで悪化歯周病は生活習慣が深く関係する病気です。特に喫煙は、歯周病との因果関係がはっきりわかっています。タバコの煙には、400種類の化学物質、200種類の有害物質、37種類の発がん物質が含まれています。タバコを吸うと、ニコチンの影響で血管が縮まって歯肉の血行が悪くなり、歯と歯肉へ酸素や栄養が行き渡らなくなります。その結果、歯肉は細菌に対する抵抗力が下がって歯周病に侵されやすくなるのです。

    タバコを吸わない人も油断は禁物
    本人は喫煙していなくても、ほかの人の吸っているタバコの煙(副流煙)を吸い込むことで健康被害を受けるのが受動喫煙です。タバコを吸っている人が吸い込む主流煙よりも、タバコから立ち上がる副流煙の方が毒性が高いため油断はできません。歯周病を予防するためにも、家族で禁煙するようにしましょう。

    ●喫煙者のお口の中は危険がいっぱい
    ・歯面にタール(発がん物質)が付着
    ・歯肉は暗紫色
    ・出血などの炎症反応が現れにくい
    ・メラニン色素が多く沈着する
    ・歯肉がごつごつした感じになり厚くなる
    ・上顎の粘膜が盛り上がる

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